君は落ちていく、悲しみの中に

君は落ちていく、悲しみの中に

悲しみが、やってくる。
大切なものを失い、誰かとわかりあえず、、
どうしてかな?
そんな宛先のない問いをつぶやいて、
気づけば相手を責めている自分に嫌気がさす。

そんな時こそハートに還ろう。

ハートに言葉はない。
意味も理由も正義もない。
嘘も本当も、条理も不条理もない。

ただ、そこに響いている悲しみに身を任せる。
感情に委ね、悲しみそのものになる。

これは、完全に、
自分の内側で起こることだ。

その時、苦しさはない。

感情体験は命そのものの体験、
震える命に触れることは、愛に触れること。
深い悲しみは、僕らを愛に連れて行く。
悲しみの底に落ちたとき、
生きることへの、狂おしいほどの歓びが、
胸に満ちてくることに気づくだろう。

感情体験の苦しさは、
感情を留めていることに由来する。

子供のように大きな声で泣くのなら、
泣くことは苦しみでありはしない。

歯を食いしばり泣くのを堪えれば、
苦しさで、君の胸は張り裂けそうになる。

張り裂かないでね!
大きな声で、泣いたらいいよ。
悲しみを全身で感じたらいい。

君は落ちていく。
悲しみの中に。
悲しみの向こう、どこか懐かしい、
柔らかな場所に。